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えび 5本目公演

2019.06.05 ー 06.09

    シアター風姿花伝

今日もまた、「特に何でもない 1 日」が終わっていく。
嫌な事も、声を出して笑う事もない。 他人からは、普通に笑っているようにも、誰かと一緒に愚痴をこぼしているようにも見えるだろう。 だけどそんなの、ただの「フリ」だ。
...────カンカンカンカン────...
今日も目の前を鉄の塊と強い風が通り過ぎていく。
僕は、この風、この音が好きだ。けれど最近は酷く頭に突き刺さる。
目を伏せかけた僕の目に映った『 気にかける 声をかける それだけで────』という陳腐な言葉が印刷された薄汚れ た板を横目に、無意識に轟音へと一歩を踏み出したその時、
「久しぶり、だな」 ...全ての音が止み、背後からの声だけが響く。 「あ、あんたは...」 振り返ったその先で優しく微笑む男の顔には見覚えが...
「────...誰?」
なかった。全くなかった。
次の瞬間僕は
“ あかつき荘”という、これまた陳腐な建物の前にいた...
これは、「何もない男」と「何もないけど何かあるヤツら」の『一瞬の』物語。

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